吉村芳生

1950年、山口県防府市生まれ。山口芸術短期大学を卒業した後、地元の広告会社に就職。デザインの仕事に従事するも、結局、美術への夢を断ちがたく、5年後に職を辞して上京、創形美術学校にて版画を学ぶ(1976-80)。
在学中から、作品を発表し始め、シェル美術賞展(1978)、イギリス国際版画ビエンナーレ(1979、ブラフォード美術館)、マイアミ国際版画ビエンナーレ(1982、フロリダ メトロポリタン美術館)等々、国内外の数多くの公募展で入賞。高い評価を受ける一方、1980年からは郷里の山口県美術展覧会にも出品しはじめ受賞を重ねるなど、公募展を足がかりとして、着実に作家としての地歩をかためた。
1985年に帰郷して以後、自然に恵まれた徳地(山口市)の山あいの集落に居を構え、県内外で数多くの個展を開催。一方で、次第に、鉛筆によるモノクロームの作品を描けなくなりスランプに陥る。やがて自宅近辺に群生する花々を色鉛筆で描いた色彩感覚豊かな作風へと転じ、2000年には、久しく出品していなかった山口県美術展覧会に再び応募。以降、次々に受賞を重ね、2007年には大賞を受賞した。
また、同年、東京の森美術館で開催された「六本木クロッシング2007・未来への躍動」展において、30年前の初期作品が大々的に紹介されるにいたって、遅れてきた新人として一躍注目を集め、国内のみならず、中国や韓国、イギリスなど国外でも幅広く評価されるきっかけとなった。
1983年、山口県芸術文化振興奨励賞受賞。1984年、小林和作賞受賞。 東京都現代美術館、山口県立美術館等で作品を収蔵。
現在、山口市在住。